遺言は、遺言者の死亡の時から効力を生じます。
遺言書の保管者は、相続の開始(遺言者の死亡)を知った後、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなくてはなりません。保管者がない場合で相続人が遺言書を発見した時も同様です。
検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在と内容の確認をすることをいいます。
検認は公正証書遺言 及び 法務局に保存された自筆証書遺言 を除く遺言書に義務付けられています。
封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会がなければ開封できません。
せっかく作成した遺言書も、その内容を実現しなければ意味がありません。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な事務処理をする人のことです。
遺言者は遺言書で遺言執行者を指定することができます。(遺言執行者は1人でも複数でも構いません)
相続人は、遺言執行者に対して就職を承認するか(遺言執行者になるか)催告することができます。この場合に、遺言執行者が相当期間内に確答しないときは就職を承認したものとみなされます。
また遺言者は、遺言書で遺言執行者の指定を第三者に委託することもできます。
遺言執行者がない時、又は亡くなった時は、家庭裁判所は利害関係人の請求によって、遺言執行者の選任をすることができます。
※未成年者及び破産者は遺言執行者にはなれません。
遺言執行者が出来ること、やるべきことは以下の通りです。
1.相続財産目録の作成
遺言執行者は遅滞なく相続財産目録を作成し、相続人に交付しなければなりません。
2.包括的な権利
遺言内容の実現のために、相続財産の管理 その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利・義務を有しています。
3.特定財産承継遺言にかかる執行
特定財産承継遺言とは、〇〇(相続人)に●●(特定の遺産)を承継させる・・・という遺言です。
(遺産の二分の一を◯◯へ、残りのうち三分の二を▲▲へ承継する・・・といった遺言は包括承継といいます)
特定財産承継遺言があった場合、遺言執行者は共同相続人が対抗要件を具備(例えば、登記)するのに必要な行為をすることができます。
4.複任権・責任
遺言執行者は、遺言に別段の意思表示がない限り、第三者にその任務をさせることができます。
5.報酬
遺言に報酬の定めが有るとき、又は家庭裁判所が報酬を定めた場合には、遺言執行者は任務終了後に報酬を受けることが出来ます。
次の記事では、遺言書の撤回ついて書かせていただきます。